ポンコツ。投稿610日目

ポンコツ。投稿610日目

「おーい、ポンコツ。今、何やっている?」
「だから、お前はポンコツなんだよ。」
「ポンコツのくせに、色々と考えてんじゃん。」

えー、決してイジメられているわけではありません(笑 
ボクが20代前半のころに、ある先輩から親しみを込めて、こう呼ばれていました。

新卒で入ったガス会社。LPガス業界はまず、ガスボンベ(外についている銀色のタンク)を転がせるようにならないと話になりません。

ガスを詰める充てん所と呼ばれるところで、来る日も来る日もボンベを転がす毎日。なんてつまんない仕事なんだよと思っていた。一人前になるためには避けて通れない道と思い、我慢して続けた。

その後、ガスボンベを配達する人との同行が始まった。ローリーと呼ばれる横長のガス運搬車に乗せてもらったときに、出会ったのがOさんだった。
最初、茶髪でヤンキーぽい感じだったので、すごい怖かったのだが、温かい缶コーヒーが置いてあって、「おう、これ飲めよ。」と優しい笑顔で言ってくれた。
すごく気さくで、色々と教えてもらっているうちに、すぐに仲良くなった。

Oさんはとにかくモテる。どうやったらそうなれるのか本当に疑問だった。
ある日、Oさんに「Oさん、何でそんなにモテるんですか??教えてくださいよー。」と聞いたことがある。
「簡単だよ。マメにやっていたら女の子なんてすぐに好きになってくれるぞ。」と軽く答えてくれた。「いや、自分も頑張っているんですけど、なかなかうまくいかないです。」「お前、どうやって女の子とメールしたり、電話したりしてるんだ? 見せてみ。」と携帯を取り上げられ、チェックを入れられた。

すると、大笑いしながら「お前、ポンコツじゃねぇか。こんな長文ガチガチの文章で、女の子が面白いと思う?もっとなー、ソフトに優しくメールしろ。」と言われる始末。
「よし、どうやってやったらいいか教えてやるから、言うとおりにやってみな。」とアドバイスをもらった。
その日から、Oさんの恋愛特訓が始まった。毎日、朝にOさんの携帯に電話する。当時、ソフトバンクが無料通話をはじめて、月額980円の話し放題の時代。ほぼ毎日かけていたから、普通に電話していたらえらい請求だったと思う。
こんな風に相手が言ってきました。言う通りに話ししたら、好感触でした。など、たくさん相談しまくった。本業の仕事そっちのけで(笑
そのおかげもあり、当時の彼女と付き合うことができた。

話すのは、何も恋愛相談だけではない。仕事で失敗したことや悩んでいたときもOさんに話すと「大丈夫だよ。問題なしなし!!」と軽い感じで明るく吹き飛ばしてくれた。今、思えばOさんの存在にかなり助けられたと思う。すごく兄貴分で、何でも頼れる心強かった。

そんなOさんに一つだけ、言えなかったことがあった。仕事で大きな失敗をしてもう辞めるかどうかの瀬戸際へ立たされた時だ。きっとOさんに言っても、軽く返されるなと心の中で思い、あえて言わなかった。
ボクの噂を聞いたOさんから、「おい、ポンコツ何でオレに相談しなかったんだ。」と怒りの電話をかけてきてくれた。

「また笑われるかと思って、相談できなかった。」と伝えると「そういうときこそ、ちゃんと話せよ。まーにゃん(もうひとつの呼び名)のことが心配に決まっているやん。」と言ってくれた。メチャクチャ、嬉しかった。

ボクは本当にOさんからたくさんの愛を与えられていたんだ。当時、面と向かって感謝のコトバを伝えることができなかった。Oさんみたいにできるか分からないけど、同じような光景に出くわしたら、色々と親身になって話を聞いていこうと日々思っています。

実は、もう4・5年会っていない。きっとブログも読んでいないと思うが、感謝のコトバを伝えます。

Oさん、あの時は本当にお世話になりました。親身になって話を聞いてくれたこと、今はボクが目の前の相手に対してやっています。不思議でしょ? あなたのおかげでこうしてたくさんの青年と向き合えています。何も返せていないのが残念ですが、また、会うことがありましたら、親しみを込めてポンコツ!!と呼んでくださいませ。笑顔で恋愛相談しに行きますね。

今は、すこしだけポンコツ卒業できたかな(笑

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